今読むべき話題の小説本(綿矢りさ)「私をくいとめて」が面白い

「私をくいとめて」は2004年に「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した、綿矢りささんの小説です。

もともと綿谷さんの初の新聞連載小説として2017年に書かれたものでした。実写映画化が決まっていて、2020年2月に文庫化されています。

「私をくいとめて」はもうすぐ33歳の独身、一人暮らしの主人公黒田みつ子の現実的なようで、ちょっと非現実的な日常の物語です。

人間関係について考えさせられるこの時代だからこそ、読むべき小説だと思うのです。

この記事では、そんな綿矢りささんの小説本「私をくいとめて」について解説していきたいと思います。

「私をくいとめて」のあらすじ

「悩みは頭の中の分身が解決してくれるし、一人で生き続けてゆくことになんの抵抗もない」そんな風に思っていた黒田みつ子33歳の物語。

彼女は、迷ってしまう時はもう一人の自分「A」に脳内で相談するようにしている。

私やっぱりあの人のことが好きなのかな?

でもいつもと違う行動をして、変わってしまうのが怖い・・・。

そんな同世代の繊細な気持ちの揺らぎを、たしかな筆致で描いた筆者の真骨頂の物語です。

「私をくいとめて」のここが面白い!

綿矢りささんといえば、芥川賞を受賞した「蹴りたい背中」に代表されるように、世代を超えて多くの人が共感を感じるような作品がおおいのですが、今回の「私をくいとめて」は、特に女性にとってかなり共感できる部分が多い作品だといえます。

一人暮らしの女性ならきっと経験したことのある気持ち

一人暮らしの女性ならきっと経験したことのある気持ちに出会います。休日あるあるの「今日まだ一回も言葉を発していない」、なんとなく自分の部屋が落ち着かない気がする、家事や料理をしてもリアクションしてくれる人がいないなど、こういう気持ちになる人って私だけじゃなかったんだなと共感できます

小見出し:今時のおひとりさま

みつ子は独身だからって開き直ったりことなく、男性を好きになるのもご無沙汰です。

一人カフェ、一人焼肉、一人海外旅行などおひとりさまに挑戦するも、一人だと感情が揺れ動きやすく心が敏感に反応してしまいます。

少しずつ少しずつ、おひとりさまから脱出する不器用さが今時なストーリー展開です。

もう一人の自分がいる

これはちょっと非現実的な部分ですが、みつ子にはAというもう一人の自分が頭の中にいます。困ったときはAに話しかけて助けを求めます。

Aは「私専用のSiri」みたいな存在です。この本の解説を、同じく芥川賞作家の金原ひとみさんが書かれていますが、みつ子とAの関係性にお子さんのぬいぐるみとの関係を連想しています。

そういえば私の母も自分の声以外に2つの声が出て、ぬいぐるみが生きているように声を出しているのを思い出しました。

言葉でつづられると魅力が増す日常、いそうな面白いキャラ

普段言葉にならない気持ちや、忙しくて後回しにする気持ちってありますよね。

この本は、きちんと言葉でつづられることで日常を言語化してくれている心地よさを感じます。

33歳独身、OLの「仕事なしの生活は考えられない」「ちょっと気になる男性が持ってるだろう自分のイメージを壊したくない」という等身大の飾らない言葉にうなずける方も多いと思います。

みつ子の他にも、いかにもいそうなキャラクターの描写や言動が面白い作品です。

まとめ

今回は映画化も決定している芥川賞作家の綿矢りささんの小説本「私をくいとめて」について解説してきました。

一人暮らしの女性ならば誰もが経験したことのあるような気持ちに出会えることができるこの作品は、多くの女性が共感できるはずです。

具体的な映画公開日などは決定してはいませんが、話題になることは間違いなさそうです。

芥川賞を受賞した「蹴りたい背中」は読んだけど、それから綿矢りささんの作品は読んでいないなという人は、映画公開の前にぜひ私をくいとめてを読んでみてはいかがでしょうか?